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現金給付政策により投票率が上昇も? 各党の公約に注目 (1/2ページ)

高橋成壽
高橋成壽

 令和3年10月31日投開票の衆議院選挙に向けて、各党の政権公約に注目が集まっています。選挙結果次第で、私達の生活も大きく変わるのか、それともまったく変わらないのでしょうか。筆者が最も気にしているのは、給付金政策です。

 令和2年度に実施された定額給付金においては、選挙と無関係に生活支援策として実施されました。一方、選挙公約としての現金給付には、金額の多寡にのみに焦点が集まってしまう心配があります。(参考記事:【お金で損する人・得する人】選挙の価値は一票毎に1年200万円 無投票を続け自分を苦しめている子育て世代

■現金給付政策により投票率が上昇する?

 現金給付を政策の1つとして訴求した場合の成果として投票率が上昇する可能性があります。あえてメリットとは言わなかったことに意味があります。

 投票率が上昇すると、政権交代する可能性が高くなります。普段の選挙は政治に関心のある世代、政治に期待する世代などが投票の中心と考えられます。最近の衆議院選挙の投票率は50%台にとどまります。過去に、民主党政権が誕生した際は70%弱の投票率でした。

 現金給付政策を訴求すると、今まで政治に関心の薄かった層が現金欲しさに投票する可能性が出てきます。すると、組織票よりも浮動票が多くなり今の与党が政権と維持しつづける可能性が薄まってきそうです。

 野党側は、現金給付を声高に叫ぶことで、論点を現金給付額のみに絞り込み有権者を「釣る」ことが可能になります。仮に当選できず、政権を取れなければ過半数を取れなかったため現金給付が実現できなかったといえば言い訳として通ります。

 与党側は政権を維持することが前提にあるとすれば、公約に掲げた現金給付額を死守する必要があるため、金額をぶち上げることができません。すると、野党の方が、積極的に多めの金額を提示するかも知れません。

 既に公明党が0~18歳の子ども一人あたり10万円の給付を主張しています。これは、0~18歳の人口が2300万人と仮定した場合、2.3兆円の予算規模となります。既に令和3年度の予算は執行されているため、補正予算により政策を実行することになるでしょう。

 これに対し、野党が勤労世帯である20~64歳を対象として一律20万円の給付を約束した場合、対象人口は6800万人となります。予算規模は13.6兆円と令和2年度の10万円定額給付金を上回る予算規模となります。

 大風呂敷で国民全員に100万円とした場合には、127兆円と当初の国家予算を上回る規模の給付となりますが、政権交代できなければ絵に描いた餅。一方で、当選してしまえば、給付の実現ができないことを理由に直ちに解散総選挙となるは高くないでしょうから、言った者勝ちになりかねません。

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