苦肉の日銀追加緩和、切り札は温存 政府と協調 (2/2ページ)

2016.7.30 05:00

日銀本店で会見する黒田東彦総裁=29日、東京都中央区
日銀本店で会見する黒田東彦総裁=29日、東京都中央区【拡大】

 追加緩和内容は小粒だった一方で、今回の決定には、政府との協調という重要なメッセージが込められた。日銀がこの日出した声明文には、異例とも言える財政政策への言及があった。

 「日銀としては、きわめて緩和的な金融環境を整えていくことは、政府の取り組みと相乗的な効果を発揮するものと考えている」

 政府が総事業費28兆円超の経済対策を打ち出すのと同時に、金融緩和を強化する「ポリシー・ミックス(政策の組み合わせ)」によって、より大きい景気刺激効果を狙う算段だ。

 黒田東彦(はるひこ)総裁は同日の記者会見で「わが国経済が物価安定のもとで持続的成長を実現していく上で、非常に時宜を得たものだ」と強調。政府側も「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて、日銀とも緊密に連携しつつ、金融政策、財政政策、構造改革を総動員し取り組んでいく」(麻生太郎財務相)と好意的に受け止めている。

 モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは「財政政策との協調という点で日銀は一歩を踏み出した。今後も政府との連携が強化されていく可能性を示唆している」と指摘した。(米沢文)

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