外務省は旧日本軍に罪を着せるのか 名誉守る努力しないのは情報操作?それとも… (2/4ページ)

2016.8.7 07:22

櫻井よしこ氏(鈴木健児撮影)
櫻井よしこ氏(鈴木健児撮影)【拡大】

 正定事件と中国の動きについて、私は遅まきながら今年に入って初めて報道した。素早く反応したのが官房副長官の萩生田光一氏だった。外務省に調査を命じ、外務省は直ちに資料をまとめた。要点は「日本軍は9人を殺害した。しかし、女性を要求した事実はない」である。

 だが、外務省報告は根本から間違っていた。それを私は読者の中林恵子さんと熊岡醇氏に指摘されて知った。届いた資料の中に当時の在北京日本大使館員、森島守人参事官の公文書が含まれていた。これはスイス在住の日本人女性がナントのフランス外交史料館で入手したものだ。

 森島公文書は1938(昭和13)年2月13日付、在北京フランス大使館のフランシス・ラコステ氏宛てに日本政府が行った事件の調査結果を報告したものだ。そこには犠牲者への深い哀悼と、日本軍が第三国の国民、とりわけミッショナリー(宣教師)の生命と財産保護のために取った具体的措置が詳述されているが、最も大事なことは、犯行は日本軍ではなく、「支那敗残兵」によるものと明記した点だ。当時、支那敗残兵が正定の教会に避難した人々の中に紛れ込んでいた。物証は、彼らが事件の犯人であることを示しており、森島氏は次のように記している。

 「その後も続けた調査では、支那敗残兵の犯行であるとの結論を覆す証拠は見つからなかった。従って日本政府は当該事件に関する責任を負いかねるのみならず、占領地で起こったすべての件に関して責任をとりかねる」

犯人は日本軍ではない、支那敗残兵であるとした森島文書は…

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