国内

緊急事態宣言、出口戦略見えず 12日から再延長期間へ

 政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき発令中の緊急事態宣言は11日で当初の期限を迎え、12日からは5月31日までの延長期間に入る。対象は東京、大阪、兵庫、京都に愛知、福岡が加わり計6都府県となる。とはいえ、対策の効果は現時点で十分には表れておらず、新たな期限に向けた出口戦略は不透明なままだ。

 新型コロナは感染から発症、受診、報告までに約2週間の時間差があるとされる。今回の宣言は4月25日の開始から2週間を超えており、対策の効果を見極める時期に入っている。

 大阪府では11日、974人の新規感染者数が報告された。曜日の違いをならす1週間移動平均でみると5月以降は減少傾向にあり、11日(851人)は宣言初日(1084人)と比べ約2割の減少となった。

 一方、東京都の11日の新規感染者数は925人。1週間移動平均は824人で、宣言初日(727人)から1割以上増えた。1月の前回の宣言ではスタートから約2週間後に大きく減少に転じたが、今回は高止まりが続いている。

 ただ、政府はなお数字を慎重に見極める必要があるとみている。連休中に検査件数が減少した影響なども考慮する必要があるためで、田村憲久厚生労働相は11日の記者会見で「今週(の数字)を見ないと分からない」と語った。

 一方、警戒が必要な地域は全国的に増えている。愛知県では11日、過去最多の578人を記録した。西村康稔経済再生担当相は会見で、連休明けの検査数増の影響にも言及しつつ「全国的に増加傾向が続いている」と指摘。福島、岡山、長崎、熊本、宮崎各県を挙げ、それぞれの知事と意見交換したことを明かした。

 実際に宣言を月末に解除できるのか。道のりは険しいといえる。

 菅義偉(すが・よしひで)首相は7日の会見で、感染状況が最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)から脱却することが解除の目安だと説明した。一方で、同席したコロナ分科会の尾身茂会長は「下げ止まっても2、3週間はぐっと我慢が必要だ」と付け加えた。

 ただ、前回の宣言でも、東京が新規感染者の指標でステージ4を脱するには約1カ月を要した。今回はまだ減少傾向も見られないうえ、「我慢」の期間を加えるなら5月末には到底、収まらない計算となる。田村氏は11日の会見で、期限について「まずは5月いっぱいで感染を封じ込める」と述べるにとどめた。

 政府は当面、厳しい対策を継続しつつ、感染拡大を抑える切り札となるワクチン接種を急ぐ考えだ。(千葉倫之)

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