数字から見えるちば

物流施設の適地、地価上昇を牽引

 令和3年3月に公表された「令和3年地価公示」(国土交通省)における東京圏(1都4県の指定地域)の工業地価をみると、上昇率の上位10地点のうち8地点が千葉県内となった。その顔触れは、外環道千葉県区間が平成30年に開通した松戸市や市川市、インターチェンジや国道とのアクセスが良い船橋市や習志野市、千葉市の湾岸部、千葉ニュータウン周辺であり、いずれも物流施設の好適地である。

 不動産市場では、コロナ禍による先行き不透明感を受け、住宅地、商業地とも多くの地点で上昇率が縮小したり下落率が拡大した。千葉県の地価の対前年上昇率をみると、住宅地が令和2年の0・7%から3年は0・1%に、商業地は3・4%から0・5%にと、ともに縮小している。しかし工業地は、3・3%から2・9%と、上昇基調を維持しており、とくに物流施設の適地が地価上昇を牽引している。

 今回の調査を前年と比較してみると、国道16号が利用可能で各種インフラが整っている白井市や、国道14号・357号に近く値ごろ感のある千葉港周辺エリア(千葉市中央区中央港、同区出洲港)が新たにランクインするなど、上昇率が高い地域の範囲が以前より広がっている。この背景には、近年インターネット通販の利用拡大により消費地周辺における大型物流拠点の建設ラッシュが続くなか、コロナ禍を映じた巣ごもり需要で物流センター需要がさらに高まっていることがある。物流業者の立場からすれば、消費者の配送ニーズが高まっているなかで、できるだけ大消費地の都心部に近い物件が欲しいのはやまやまだが、都内はもちろん、神奈川県や埼玉県、千葉県でも物件が枯渇しつつあり、少しでもアクセスの良い地域の物件を物色しているのが実情だ。

 千葉県は、都心に近いだけでなく、成田空港や千葉港など大規模な輸送インフラを擁しており、従来、物流拠点としてポテンシャルが高い地域であるが、今後も北千葉道路など県内の交通インフラの整備により、物流施設の適地の裾野がさらに広がることが予想される。今後とも交通インフラの整備を着実に進めることで「物流王国ちば」の地歩を固め、県内経済が一層活性化していくことを期待したい。(ちばぎん総研主任研究員 高城華楠)

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