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景気基調判断「改善」に上方修正 3月 足元の変化と乖離

 内閣府が12日発表した3月の景気動向指数(2015年=100、速報値)は、基調判断を「改善」に上方修正した。新型コロナウイルス禍で崩落した国内景気が拡張局面に入った可能性が高いことを示す判断で、18年8月以来、2年7カ月ぶり。ただ、足元では3回目の緊急事態宣言で今年4~6月期の国内総生産(GDP)が2四半期連続のマイナス成長になるとも指摘され、景気動向指数が示す改善判断との食い違いが生じつつある。

 景気動向指数は、景気の「山と谷」を把握するため内閣府が30種類の経済指標を用いて毎月算出している。3月の景気の現状を示す「一致指数」は前月比3.2ポイント上昇の93.1で、2カ月ぶりのプラス。コロナ感染者数の低下や気温の上昇で衣料品などの販売が好調だったのに加え、2月に発生した福島県沖を震源とする地震で打撃を受けた自動車の挽回生産などが寄与した。

 2月までの基調判断は、景気の谷が数カ月前にあった可能性が高いことを示す「上方への局面変化」だった。今回、一致指数の当月を含む過去3カ月の平均が3カ月以上続けて上昇するなどの基準を満たし、「改善」に修正した。1回目の宣言が解除された昨年5月ごろを谷に景気が拡張局面に入ったことを示唆する。

 一方、年明けに2回目の宣言が出た影響で、今月18日に公表される1~3月期の実質GDPはマイナス成長が確実視される。4月に発令された3回目の宣言は大型店舗が自粛対象になるなど規制が強まったため、消費活動が一層落ち込むとみられ、4~6月期も前期の水準を下回る可能性がある。

 欧米では一般的にマイナス成長が2四半期続けばテクニカルリセッション(技術的な景気後退)と判定される。ただ、日本は内閣府が専門家を集めた景気動向指数研究会の検証を経て決まる仕組みで、通常は認定に1年以上を要する。今回の「改善」判断が正式に追認されるかは見通せない。

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