国内

経常黒字、海外投資が下支え 旅行収支は過去最大の落ち込み 

 財務省が13日発表した令和2年度の国際収支(速報)は、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す「経常収支」の黒字が前年度比3・8%減の18兆2038億円となった。新型コロナウイルス禍に見舞われつつも36年連続の黒字を確保した。訪日旅行客の消費から日本人が海外で使ったお金を差し引いた「旅行収支」の黒字は過去最大の落ち込みだったが、海外投資や貿易が経常黒字を下支えした形で、企業の3年3月期決算にも反映された。

 海外投資で得た利子や配当金の動向を表す「第1次所得収支」の黒字は4・0%減の20兆7797億円。大幅な黒字を維持したが、年度前半の世界的低金利で企業や個人が投資した海外債券の利子受取額が減少した影響で黒字幅は減った。

 輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」の黒字は約8・1倍の3兆9047億円。コロナ禍で米国向けの自動車や自動車部品などの輸出が減少したものの、原油や液化天然ガス(LNG)といった輸入に頼るエネルギー価格も世界的な需要減退で下落し、輸出減を輸入減が上回った。

 一方、コロナ禍による入国規制の長期化で、訪日客(インバウンド)の消費は88%減、海外を旅行した日本人(アウトバウンド)の消費も76・6%減だった。旅行収支は訪日客の急増で平成26年度に黒字に転じて以降、5年連続で黒字幅が拡大していたが、一転して大幅減になった。減少幅は統計上比較可能な平成8年度以降で最大だ。

 国内ではワクチン接種の遅れからコロナ収束のめどが立たず、旅行収支の反転増は当面期待できそうもない。欧米の経済正常化を受けエネルギーや原材料の輸入価格は足元で上昇傾向にあり、企業の海外投資が経常黒字を支える構図がしばらく続きそうだ。

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