海外情勢

モンゴル経由で対中ガス管 ロシアが計画、思惑推進も

 ロシアの天然ガスを中国に輸出するパイプライン「シベリアの力」稼働から1年余り。ロシアは北極圏からモンゴルを経由し中国に達する2本目の敷設構想を進める。輸送ルートを増やし通過地の開発のてこにする狙いだが、ガスの買い手となる中国が調達先の多様化を図る中で、新たな巨大計画が思惑通り進むかは見通せない。

 「シベリアの力」は極東サハ共和国とイルクーツク州のガス田からアムール州の中国国境までを結ぶ全長3000キロのパイプラインで、2019年末に稼働を始めた。

 2本目となる「シベリアの力2」は、主に欧州向けを生産してきた北極圏ヤマル半島産を中国に運ぶ構想で、1本目より3割多い年500億立方メートルの供給を見込む。

 ロシアの伝統的なガス輸出先だった欧州とは人権問題などをめぐり関係が悪化。ドイツ向けパイプライン「ノルドストリーム2」は完成を目前に控えながら、米国や欧州連合(EU)内から事業中止の声が強まっている。ロシア側は前のめりだ。政府系ガスプロムは19年末、経由国となるモンゴル政府と覚書を締結。現地に準備会社も設け、21年中に事業化調査を終えると発表した。

 中国は一方で、中央アジアからのガスパイプラインを敷設済みで、タンカーで液化天然ガス(LNG)も輸入。既存パイプラインを活用でき、コストが抑えられるサハリン産のガスの輸入にも関心を示している。

 カーネギー財団モスクワ・センターの中国専門家、ガブエフ氏は「中国は再生可能エネルギー投資を増やし、30年代に国内ガス発電が頭打ちになる。調達先を選び、取引条件を支配するようになるだろう」と警告した。(ウラジオストク 共同)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus