海外情勢

韓国閣僚候補、不祥事で異例の就任辞退 文大統領の人事強行に与党も反発

 【ソウル=時吉達也】政権人事刷新に伴い韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が海洋水産相に指名した朴俊泳(パク・ジュニョン)海洋水産省次官が13日、就任を辞退すると発表した。外交官時代、夫人が外交官特権を悪用し大量の陶磁器を密輸した疑惑が浮上していた。

 閣僚人事が発表後に撤回されるのは文政権で極めて異例。大統領府は疑惑発覚後も人事の強行を図ったが、与党内でも大統領府に指名撤回を求める声が相次いだことから、朴氏は辞退に追い込まれた形だ。韓国メディアは与党に対する文大統領の求心力低下を指摘し、「大統領のレームダック(死に体)化が加速する」などと報じている。

 4月のソウル・釜山両市長選での与党「共に民主党」惨敗を受け、大統領府は同月、丁世均(チョン・セギュン)首相と5閣僚を交代させる人事を発表。人事聴聞会を通じ、野党側は不祥事が発覚した朴氏を含む閣僚候補3氏について任命は「不適切」とする結論を出していた。

 大統領府はその後も人事を強行する方針を示したが、与党内では当選1期目の若手議員らが「国民目線で、少なくとも1人は不適格とすべきだ」とする声明を発表するなど、反発が広がっていた。

 韓国では大統領が指名した閣僚候補について、国会で人事聴聞会を開き、適格性を審議する。審議後に国会が大統領府に送付する意見書に拘束力はない。2019年夏、文大統領による法相指名後に家族をめぐるスキャンダル発覚が相次いだチョ・グク氏のケースでは、聴聞会の直後に妻が在宅起訴される事態に至ったにもかかわらず、人事が強行された。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus