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党首討論、2年間ゼロ 衆院選前なのに「「菅VS枝野」場面なし

 首相(与党党首)と野党党首が一対一で臨む党首討論が、国民投票法改正案の審議などの余波を受け、6月16日までの今国会でも開催が厳しい情勢となった。月1回の開催が原則だが、令和元年6月を最後に約2年開催されていない。政権選択選挙の衆院選を控え、与野党トップの論戦が注目される今国会でも開催ゼロなら、存在意義が問われかねない。

 党首討論は45分間で、開催の定例日は参院憲法審査会と同じ毎週水曜日となっている。次の党首討論を行う参院国家基本政策委員会の与野党理事は開催を念頭に水面下で協議してきた。

 こうした中、自民、立憲民主両党の幹事長が6日、国民投票法改正案を今国会で成立させる方針で合意し、会期末まで毎週水曜日に参院憲法審がセットされる運びとなった。参院は本会議も水曜日に行われるため、日程が重なる。時間を変更する、定例日以外に開催するといった例外的な方法も可能だが、与野党ともに「日程的に厳しくなった」との認識だ。

 党首討論は平成12年、二大政党制の英国議会の「クエスチョンタイム」(QT)をモデルに導入された。有権者が「どちらが首相にふさわしいか」を判断する機会にもなるが、近年、開催の機運は高まらなかった。初年の12年こそ8回開かれたが、その後は減少傾向にあり、令和元年は1回、2年以降はゼロ。月1回開催するとした与野党合意は完全に形骸化している。

 背景には、平成29年の旧民進党分裂などで多党化した野党が45分の時間を細切れに分け合って「順番に短時間アピールするだけ」(立民幹部)になり、首相を長時間追及できる予算委員会の集中審議を優先してきた事情がある。

 昨年9月、150人規模の立民が発足し、単独で30分程度配分される。その分、他の野党の時間は少なく不満が出る。また、与野党は、首相が他の委員会や本会議に出席する週は党首討論を原則実施しないことも申し合わせている。最近では、菅義偉(すが・よしひで)首相は4月23日に参院本会議と衆院厚生労働委員会に出席し、今月10日も衆参両院の予算委員会集中審議に出席するなど、野党は開催を求めにくい状況にある。

 枝野幸男代表は秋までに行われる衆院選に向け「菅首相か枝野か、選択肢として認めてもらえるよう準備する」と語っている。立民は10日の衆院予算委員会集中審議以外にも「菅VS枝野」の場面を作りたい考えで、党首討論が開かれなければ6月にも集中審議を求めることを検討。政府が緊急事態宣言を解除する際の衆院議院運営委員会で枝野氏が首相と質疑を行う案もある。(田中一世)

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