国内

大阪の感染者が急増…死者最多、医療逼迫する「悪循環」 

 大阪府内で新型コロナウイルスに感染し、死亡する患者が急増している。月別発表死者数は5月だけで500人を超え、累計では16日に全国最多の1958人に上った。17日は新たに23人の死亡が確認された。専門家は変異株の影響で新規感染者の急増とともに医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、治療が間に合わない「悪循環」が起きていると指摘する。

 府によると、3月以降の「第4波」で、感染者数に占める死者数の割合(死亡率)は1・5%。現時点で昨年10月から今年2月までの「第3波」の2・6%と比べて高いわけではない。

 それでも1日当たりの新規感染者は、4月13日から5月3日までの21日間のうち、4月19日、26日、5月3日を除く18日間で千人を超え、最大で1260人に達した。

 吉村洋文知事は17日、記者団に「第3波で経験しなかった絶対的な感染者数の多さが、死者数の増加につながっている」との見解を示した。

 厚生労働省によると、3月1日から5月16日までに発表された全国の死者数は3619人で、うち大阪は841人(23・2%)に上る。5月だけをみると16日時点で府内の発表死者数は月別最多を更新する502人で、全国の1278人の約4割を占める計算だ。

 札幌医科大の井戸川雅史准教授が国や都道府県の発表データに基づき行った独自の集計では、16日までの7日間の人口100万人当たりの死者数は、大阪府が全国最多の27・6人。全国平均5・0人の5倍超にあたり、大阪府に続く兵庫県の15・6人、岡山県の11・6人より際立って多い。

 府は背景に変異株の影響があるとみる。感染急拡大のスピードに加え、重症化の速度も第3波の約3倍とされ、4月13日以降、入院中の重症者が確保病床数を上回る「オーバーフロー状態」(府幹部)が続く。

 一部の重症者を中等症病床で治療せざるを得ず、病床不足のあおりを受けて中等症患者や自宅療養者らが速やかに入院できない事態が生じている。府内の入院率は17日時点で12・4%にとどまる。

 府専門家会議のメンバーで、りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)の倭(やまと)正也感染症センター長は「感染拡大も重症化のスピードも想像以上に速く、医療体制が間に合わずに悪循環に陥っている。病床とスタッフを準備できれば対応できるが、治療が遅れたら助かる命も助からない」と危機感をあらわにした。

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