海外情勢

米市場「来年利上げ」に動く 4月の米消費者物価指数、大幅上昇で予想を前倒し

 12日発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく超える上昇となり、米金融市場には、利上げ開始が金融当局者の予想時期から大幅に前倒しされ、来年となる可能性に賭ける動きが広がっている。エコノミストと政策当局者は足元のインフレ圧力が一時的だとみていたが、こうした見方は修正を迫られている。

 4月のCPIは前月比0.8%上昇と、2009年以来の伸びを記録。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査での最も大きな上昇予想の2倍だった。

 物価上昇圧力が景気回復を妨げるとの懸念が高まり、米金融市場では株式が3営業日連続の下落となった。S&P500種は前日比2.1%安の4063.04。ダウ工業株30種平均は681.50ドル(2%)安の33587.66ドル。ナスダック総合指数は2.7%低下となった。国債利回りも上昇(価格は下落)した。

 高い伸びが経済再開と供給ボトルネックによるものだとすれば物価圧力は数カ月で解消し得るとエコノミストはみている。

 アトランタ連銀のボスティック総裁は12日、インフレをめぐる不安定な市場の動きが「少なくとも9月いっぱい続く」との見通しを示した。当局者1人によると、ホワイトハウスの高官らは「“一時的な”インフレ圧力の期間が年末まで続く可能性がある」とみている。

 BMOキャピタル・マーケッツのエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「それ以上続けば、圧力がインフレ期待に織り込まれ始める。そうなれば連邦準備制度理事会(FRB)はもう少し注意を払うだろう。当局者の発言に変化が出る」とリポートで分析した。

 インフレ指標の高め水準がどの程度続くかは、金融当局が債券購入を通した量的金融緩和策を縮小し、その後に利上げをするという引き締め手続きを開始する時期に影響する。バイデン大統領と政権にとっては、4兆ドル(約438兆円)規模の経済対策案がどの程度議会を通過するかや共和党との交渉のあり方を左右するだろう。

 4月のCPI発表前にFRB幹部らは、物価圧力は一時的なものだとの見解を繰り返していた。当局は過去の低インフレ期の代償として目標を上回るインフレを一定期間容認する方針だ。(ブルームバーグ Payne Lubbers)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus