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五輪開幕まで1週間、水際対策正念場 入国本格化

 1週間後に迫った東京五輪開幕に向けた新型コロナウイルス対策で厳戒態勢が敷かれる中、外国人選手や大会関係者らの入国が本格化している。今週末のピークを前に菅義偉(すが・よしひで)首相は15日、水際対策の徹底を図るため成田空港を視察した。入国時の検査などで陽性者を隔離する措置が取られる一方、ルールを守らない入国者の存在も判明している。政府や大会組織委員会の準備作業は最後の正念場を迎えている。

 「陽性が出たときは即座に一般の方と隔離して対応する。しっかり整っている」。首相は成田空港を視察後、記者団にこう胸を張った。6月28日も羽田空港を視察したが、再び空港に赴いた狙いについて、首相周辺は「水際対策の引き締めだ」と語る。

 五輪で来日する選手や関係者は5万人余り。行動規範を定めた「プレーブック」では出国前96時間以内に2度、入国時に1度の検査を課す。入国後も選手は検査を毎日受ける。

 こうした検査の網は着実に陽性者を割り出してはいる。組織委は15日、選手ら2人の陽性判明を公表。これまで入国した選手・関係者で陽性者は計8人に上った。自民党外交部会の佐藤正久部会長は15日の会合で「水際対策が機能した」と評価した。

 ただ、6月に入国したウガンダのラグビー7人制選手団に陽性者が出た際は、濃厚接触者の扱いが問題になった。合宿先の大阪府泉佐野市職員ら7人が、同市にバスで移動後、濃厚接触者と認定されたからだ。

 これを受け、政府は空港で濃厚接触候補者を特定する対応を取った。7月13日に成田に到着した南アフリカのラグビー選手団は機内の一般客に陽性者がいたため濃厚接触候補者とされ、鹿児島市での合宿を見送った。

 一方、14日には宿泊先と勤務先以外に外出できないはずの関係者が外出している様子が報道された。プレーブックでは選手らを泡で包むように外部との接触を遮断する「バブル方式」が採用され、自由な行動は制限されている。政府は15日の参院内閣委員会で違反者の処分を組織委に求めたことを明らかにした。

 組織委は関係者の宿泊するホテルなどに人員を配置して違反に目を光らせているが、最後は各自の規範意識に委ねられる部分も大きい。首相が14日、官邸で会談した国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に感染対策の徹底を強く迫ったのも、こうした理由がある。(市岡豊大、広池慶一、岡田美月)

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