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河野太郎行政改革担当相、ワクチン担当から半年 「変身」に割れる評価

 河野太郎行政改革担当相が新型コロナウイルスのワクチン担当を兼務してから18日で半年になる。これまでの間、急ピッチで体制を整え、接種回数は6500万回を超えた。一方でワクチンの供給が追い付かずに混乱が発生した。従来の型破りなイメージから一転し、おわびを繰り返すなど低姿勢に徹するが、政府・与党内での評価は相半ばする。

 「配送スケジュールの提示が遅れた。はしごを外した形になり大変申し訳ない」。河野氏は15日、全国知事会とのオンライン会談で新型コロナワクチン配分の混乱を陳謝した。河野氏はテレビ各局の番組にも出演し謝罪に追われている。

 菅義偉(すが・よしひで)首相が河野氏をワクチン担当に任命したのは1月18日。首相は政権発足当初から「俺がやりたいことは全部河野がやる」と信頼を寄せており、「新型コロナ対策の切り札」を河野氏に託した格好だった。

 河野氏は外相時代からのパイプも生かして欧州連合(EU)や製薬会社幹部らと交渉を重ね、ワクチンの確保に奔走した。接種スピードも一気に加速したが、反動で供給が追い付かずに一部自治体で予約キャンセルが発生した。

 要因の一つはワクチン需給見通しの甘さにある。職場・大学接種では河野氏自身が「わんこそば方式で黙っていてもお届けする」などと呼びかけたが、申請数が想定を大きく上回り、受付を一時停止した。申請があった5千会場のうち供給が追い付かず待機状態の会場は約3千に上る。

 河野氏に対する政府・与党内の評価は分かれる。政権の最重要課題であるワクチンを担当することで注目度はさらに高まり、4日投開票の東京都議選では応援演説に引く手あまただった。一方で、自民党の議席が伸び悩んだ要因にワクチン接種の混乱をあげる声も多い。党の閣僚経験者は河野氏について「あんなにできないとは思わなかった。もっと国民に説明すべきだ」と酷評する。

 厚生労働省との連携も河野氏の悩みの種だ。在庫の状況について厚労省が誤った状況報告を首相に伝え、河野氏が首相に改めて説明して誤解を解くこともあった。河野氏は周囲に「厚労省はどうなっているんだ」とため息をつく。

 だが、表向きは不満を押さえ「物事がうまくいかないのは全て河野太郎の責任だ」と謝罪行脚の日々を送る。自民党の派閥領袖の元にも足を向けて説明する。その姿はかつてと大きく異なる。

 外相時代には記者会見で答えにくい質問が出ると立て続けに「次の質問どうぞ」と回答を拒否。防衛相時代は周囲の反対を押し切って地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備撤回を決め、政府・与党内の根回しが不十分なまま発表した。

 河野氏が「変身」したのは、ワクチン接種率を高めるためには丁寧な説明で国民に協力を求めることが不可欠だからで、その成否は自身の評価にも直結する。今後も適正な接種ペースの維持と若い世代の接種促進という難題を抱えており、将来の首相候補として試練の日々が続きそうだ。(大島悠亮)

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