真山仁の穿った眼

東京五輪開幕…「撤退できる」トヨタ 「突き進むしかない」政府 (1/2ページ)

真山仁
真山仁

トヨタの勇気に喝采したい

 さまざまな風が吹き荒れる中、いよいよ東京五輪が開幕した。未来で、この五輪にどんな評価が下されるのかは不明だが、「歴史的な五輪」として語り継がれるのは、間違いないだろう。

 そんな中、五輪直前に、スポンサーとして最高位の「ワールドワイドオリンピックパートナー」を務めるトヨタが、日本国内で予定していた五輪関連のテレビCMの放送を取りやめると発表した。さらに、豊田章男社長ら関係者の開会式などへの出席も見送るらしい。

 抗議の声もあるそうだが、私はその勇気に喝采したい。

 「ワールワイドパートナー」は、世界に14社しかない。一部報道によれば、パートナーとしての契約金は、1年間で、約100億円とも約200億円とも言われており、トヨタは、2024年のパリ五輪まで契約している。契約期間中は、全世界で五輪のロゴを活用するなどのマーケティング活動が可能だ。

 にもかかわらずトヨタは、本番期間という大きなPRのチャンスを「自粛」するのだ。契約を解除するわけではないが、その損失は計り知れないのではないかと、驚きが広がった。

 「自粛」の理由について、トヨタは説明していないが、世界的に歓迎されていない状況下での五輪開催を、「いろいろなことが理解されていない五輪になりつつある」という微妙な言い回しで表現した。

 この「英断」は、本当に損失なのだろうか。

 私は、そうは思わない。逆に「天晴れ、トヨタは、さすがグローバル企業!!」と称賛される気がする。

 日本国内では、五輪開催に対して断固として反対している国民は意外に少ない。

 どちらかというと、無関心か、「歓迎したいけど、さすがに、この状況では難しい」程度に考えている人が大半だろう。

 だが、外国メディアは、猛烈な批判(非難)を続けている。

 開幕前の現時点で、すでに「いくら叩いても、誰も文句はいわない」レベルに達している。

 「ここまで強引かつ無責任に国民の意を無視する理由は、何なのか」と厳しく批判すると同時に、「なぜ、日本国民は怒らないのか」と驚きもしている。

 こうした報道を踏まえれば、世界でビジネス展開をしているトヨタにとっては、無視できない状況だと判断したのだろう。

 

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