海外情勢

中国海事局、1万トン級巡視船を配備 南シナ海の巡視活動強化

 【北京=三塚聖平】中国で海上の交通管理などを担う海事局は24日までに、同局初の1万トン級巡視船「海巡09」を中国南部の広東省広州に配備した。実効支配を強めている南シナ海などで巡視活動に当たるとみられる。中国は海事局の権限を強化する法改正も行っており、周辺国との間で緊張が高まる恐れもある。

 中国メディアによると、新たな巡視船は23日に配備された。2019年に建造を始め、全長165メートル、満載排水量1万3000トンで、90日間の航行が可能だという。

 ヘリコプターも搭載でき、法執行のための放水システムも装備している。

 中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」は「国家海洋権益の確保に重要な意義がある」と配備の必要性を強調した。

 中国は9月、交通運輸省に属する海事局の権限を強化する「改正海上交通安全法」を施行した。中国の領海を脅かす可能性があると判断した外国船に退去を命じて追跡する権限を与えており、海巡09がそうした活動にも従事する可能性がある。

 「海洋強国」を掲げる習近平政権は、2月に海上警備を担う海警局の武器使用権限を明確化した「海警法」を施行するなど、海洋権益確保に向けて法律、装備の両面で態勢固めを進めている。

 一方、中国国防省は23日、中国とロシアの両国海軍が今月17~23日に西太平洋の海域で初の合同巡視航行を行ったと発表した。同省は「国際法の関連規定を厳格に順守し、他国の領海には進入しなかった」と主張した。

 人民日報系の環球時報(電子版)は、「宣伝」だけでなく「実戦に向けて重要な意味を持つ」という識者の見方を伝えた。この識者は「中露は国連安全保障理事会の常任理事国として世界平和を守る共通の責任を担っている」とも強調した。

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