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尾道の成功例「尾道空き家再生プロジェクト」に学ぶ地方再生のカギ (2/3ページ)

吉田由紀子
吉田由紀子

 町の現状にショック受け決心

 多彩な活動を繰り広げている豊田さんだが、「以前は建築や空き家にはまったく興味がなかった」という。大学卒業後、JTBの添乗員として8年間海外を飛び回った後、29歳で故郷の尾道にUターン。そのとき、町の現状にショックを受ける。

 「ある新聞記事を見て、尾道の町が大変な状態になっているのを知りました。当時、旧市街地は10軒に1軒が空き家という状態でした。でも、どの家も建築的に貴重な家ばかり。なんとかしなければ5年後にはボロボロになってしまう。どうにかできないかと悩みました。ならば私が買おうと決心しました。添乗員時代に貯めた貯金で2軒の空き家を購入したんです」

 価格は2軒合わせて500万円。物件にもよるが、尾道ではかなりの安価で空き家を入手することが可能だ。

 購入後、大工のご主人も手伝って空き家のリフォームを少しずつ進めていく。同時にブログを始め、空き家再生のことを発信していった。

 「ブログを書いていくうちに次々と相談が来るようになりました。良い空き家はないですか? とか、尾道に移住したいという内容でした。空き家は一般の不動産屋にはあまり出ていません。それで私のところへ相談が来たのだと思いますが、空き家にニーズがあることに気がついたのです」

 求めに応じて適した空き家を探していった豊田さん。一人で活動をしていくうちに、共感する人が少しずつ増えていく。

 「最初は、ほんのボランティアのつもりで相談に乗っていたのですが、徐々に人が集まって、大きな輪になっていきました」

 これまでに再生した空き家は20軒。支援をしたサポートプログラムを含めると100軒以上の建物を甦らせている。

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