5時から作家塾

会社に知られずに「ハラスメント相談」ができるサービスが登場 (2/2ページ)

吉田由紀子
吉田由紀子

 このサービスを立ち上げた株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役・刀禰真之介さんに話を聞いた。同社はこれまで1500以上の企業のメンタルケアをサポートしてきた実績を持ち、健康経営に関する様々なサービスを提供している。

 「サービスを運営していく中で、最近メンタルの不調を訴える方が増えてきたと感じています。職場でのパワハラやセクハラが急増していると言って過言ではない状況です。要因としては、企業が昔のようにしっかりした新人研修を行う余裕がなくなり、研修そのものが形骸化していることが考えられます。いま管理職に就いている50代前後の社員は、若い頃、残業や休日出勤は当たり前という、がむしゃらな働き方をしてきた方が多いと思いますが、それを若い社員に求めるのは、もはや無理があると思います。こういった世代間の価値観のズレが、パワハラを引き起こす要因になっているのです。

 ハラスメントは社員さん個人だけの問題ではなく、組織や企業全体に悪影響を及ぼす危険性があります。そのために一刻も早くしっかり対策をしなければならないものなのです」(刀禰氏、以下同)

 パワハラやセクハラが発生すると、職場の雰囲気が悪くなり、従業員が仕事に集中できなくなる。生産性が低下して、業績の悪化につながる。一度ニュースになってしまうと、企業イメージが悪化して、人材が流出するだけでなく、大きな損失を招く可能性があるという。

 「従業員1000人以上の企業は、98%が相談窓口を設けています。しかし、99人以下の中小企業は44%に過ぎません。対策は急務です。とはいえ、トップが社会環境の変化に気づかず、昔ながらのやり方を続けている企業がまだ多く、社長自身が気づかないうちにパワハラをしている企業も少なくありません。その結果、従業員は強いストレスを感じて体調を崩し、離職してしまうケースもあります。しかも中小企業の場合、社内にハラスメントの専門知識を持つ社員がいないことが多く、研修制度も導入していないところが多いため、そもそも何がハラスメントなのかを把握していないこともあります」

 6月に施行される「パワハラ防止法」だが、中小企業に対しては2022年4月から実施される予定だ。2年間の猶予期間にハラスメント研修を行い、社員に知識を身につけてもらい、相談窓口を設置するなどの対策を講じていくことが事業者に義務づけられている。

 企業の命運を左右するかもしれないハラスメント問題、一刻も早く対応を講じた方が良いのは間違いない。(吉田由紀子/5時から作家塾(R)

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5時から作家塾(R) 編集ディレクター&ライター集団
1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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