社長を目指す方程式

「その他大勢」から脱却せよ 戦略的“自己ブランド”創りの黄金法則 (2/2ページ)

井上和幸
井上和幸

 何も全社でNO.1、業界でNO.1でなくともよいのです。何かのカテゴリーで一番のものを探す、作ることができればOKなのです。

 これが「カテゴリーの法則」で、カテゴリーでNO.1になることで独自性、ブランドを獲得する鉄則です。大西洋横断飛行を最初に成し遂げたのはリンドバーグ、では二番目は? 三番目は? これには答えられなくても、女性で初めて大西洋横断飛行を実現したのは? の問いには、アメリア・イアハートだと答えられる人は多いでしょう。アメリアは女性初として歴史に名を刻みました。決して、三番目に飛行した人としてではありません。(ちなみに二番目に達成したのはバート・ヒンクラーだそうです。)

 今いるカテゴリーでNO.1になれなかったら、細分化してみる。御社で全国NO.1は難しくても、地域でNO.1、担当商品別でNO.1は取れないでしょうか? あるいは全社でではなかなか特長を訴求できなくても、「課長の中では」「部長の中では」一番○○だというもの、きっとお持ちだと思います。ぜひ探してみてください。

 戦う相手と、戦略的に対立する

 あなたが「どこか、特定のカテゴリーで先頭を切れるものを創造すること」(一番手の法則、カテゴリーの法則)と合わせて、ぜひ知っておいていただきたいのが「対立の法則」です。

 私たちがビジネスやセルフ・ブランディングでやりがちなことは、ヒットしているものやウケているものを見て、それに追随しようとすることです。これでは認知を取ることは叶わないことは、先の話で理解いただけたことでしょう。

 ここで企業とあなたがやるべきことは、NO.1の“エッセンス”を見つけ出し、顧客や周囲の人たちにそれと反対のものを提供することです。いわば、相手の上を行こうとせずに、相手との差別化を図り、「あなたとしてのNO.1」を作るのです。

 NO.1の商品の特徴の逆をいくことで2強、あるいはNO.2のポジションを取れる。これは私たちの周辺にも色々と存在しています。巨人・阪神(阪神・巨人)、早慶、コカコーラvsペプシ、マクドナルドvsモスバーガー。東京vs大阪、田舎者vs都会育ち、伝統と革新、量産vs手作り。対立することで、自社・自分が際立つことが分かります。

 できればそこで、自社・自分の“キーワード”を獲得できれば最高です。自動車で「安全性」と言えばボルボ、フェデックスやアスクルは「翌日配送」で市場の地位を獲得しました。「どろりとしたケチャップ」と言えばハインツ。企業は見込み客の心の中にたったひとつの言葉を植え付けることができれば、最強のブランドを獲得し、マーケティング&セールスにおいて大いなる強みを持つことができます。(「集中の法則」「知覚の法則」「独占の法則」)

 際立つ人は「○○と言えば**さん」という明確な特長(キャラ)を持っていますよね。無意識的にもこうした法則を満たすことをやっているわけです。

 ライバル上司が量で際立つなら、あなたは質で突出すれば良い。質ではどうしても勝てない同僚上司がいるなら、あなたはスピードで勝負です。

 まずい戦略は、追いかける人の後を同じ色で追うことです。それでは永遠に追いつけることはないし、あなたが個性で際立つチャンスもなくなってしまうのです。

 あなたの強みや個性を現す、他の上司たちとは異なる「ひと言」、さて、なんでしょう?

*         *         *

 「もし人の心の中にある何かを変えたいのであれば、それは諦めたほうがいい。あるマインドがすでに出来上がっている場合は、それが変わることはまずありえない。マーケティングにおいて最も無駄な行為は、人の心の中を変えようとする試みである。それで不動のものの見方が人の心の中に瞬時のうちに形成される謎がわかる。それまで耳にしたことのなかった人物が、一日にして有名人に変貌する。このような「一夜の激変」は、珍しい現象ではないのである」(『マーケティング22の法則』)

 ポジショニング戦略を使って「**と言えば、あなた」というセルフブランドを社内外に確立しましょう。それだけで、仕事も信頼も、相手のほうから自然と寄ってくることでしょう。

▼“社長を目指す方程式”さらに詳しい答えはこちらから

井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
経営者JPが運営する会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACEのサイトはこちら

【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus