働き方

パワハラ防止義務化、来春開始も周知課題 中小6割が「自社も対象だと知らず」

 大企業に続き、来年4月からパワハラ防止対策が義務化される中小企業のうち61%が、自社も対象だと知らないことが民間調査で分かった。女性活躍・ハラスメント規制法による大企業への義務付けから、6月1日で1年。中小企業への対象拡大が迫る中、既に防止措置を講じているのも35%と低迷しており、周知や啓発に課題が残った格好だ。

 調査は3月、大同生命保険が全国の中小企業の経営者約1万人を対象に実施。来年4月からの義務化を知っていたのは39%で、規模が小さいほど認知度が低かった。義務化を知る企業の中でも対策実施率は53%で、知らない企業は24%にとどまる。

 近年は残業時間の上限規制や、正規と非正規の不合理な待遇差禁止といった労働法制の改正が相次ぎ、労務担当の職員が乏しい中小企業は対応が追いついていない。新型コロナウイルスの影響で、経済団体などが説明会などを開けていないことも影響したとみられる。

 対策を講じている中小企業に内容を尋ねたところ(複数回答)、「パワハラの内容と禁止方針の明確化」が68%で最多。「事後の迅速かつ適切な対応」が40%、「厳正対処の方針を就業規則などに規定」が37%だった。

 厚生労働省幹部は「古い働き方が残る中小企業の対策は欠かせない。残り10カ月でどこまで周知できるかだ」と話す。

 厚労省の昨年10月調査では、過去3年間にパワハラを受けた従業員は31%。うち22%は企業側がパワハラを認めており、回答者はやや異なるものの、4年前から倍増した。会社や加害者の謝罪も約10ポイント上昇。一方、被害者の約10人に1人が退職するなど深刻な被害は続く。

 日本は批准していないが、6月には国際労働機関(ILO)のハラスメント禁止条約も発効する予定だ。

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