働き方

最低賃金の引き上げ、コロナ影響が焦点 労使間で引き上げ目安議論開始

 中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が22日開かれ、2021年度の地域別最低賃金の引き上げ目安をめぐる労使間の議論が始まった。昨年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴う企業の苦しい経営状況を反映し、事実上据え置いた。今回、政権は引き上げに期待を示すが、目安額を示すのに当たり、長引くコロナ禍の影響をどのように評価するかが焦点となりそうだ。

 政府は今年の経済財政運営の指針「骨太方針」で、全国加重平均で時給1000円の早期実現方針を改めて明記。雇用を最優先するとした昨年とは対照的に、コロナ禍で顕在化した賃金格差の是正や最低賃金の引き上げが相次ぐ海外での動向も踏まえて、現行の時給902円からの引き上げに積極姿勢を示す。労働者側も同様に大幅の引き上げを求めるとみられる。

 一方、サービス業を中心に経営環境は厳しく、使用者側からは、コロナ禍では雇用維持を優先して現行の水準を維持すべきだとの意見も根強い。業績が回復しないまま引き上げれば、その分だけ労働時間の減少や人員削減を招くとの主張だ。

 最低賃金は全労働者に適用される賃金の下限額。中央審議会が7月に引き上げ額の目安を決め、その後、都道府県の地方審議会が議論して8月ごろに結論をまとめ、10月ごろに改定される。三原じゅん子厚労副大臣は会合冒頭で「経済の好循環の継続に向け最低賃金の引き上げは重要」と強調。田村憲久厚労相は記者会見で「骨太方針に基づき、引き上げる方向で議論していただけると思っている」と目安額の上昇に期待感を示した。

 引き上げは地方活性化や生産性の向上につながるとの指摘もあり、菅義偉首相が官房長官だったときからの持論。コロナが感染拡大する前は、16年度から4年連続で年率3%超の上昇となった。

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 最低賃金 パートやアルバイトといった非正規を含む全ての労働者に適用される賃金の下限額。下回った企業には罰金が科される。国の中央最低賃金審議会が引き上げの目安額を示し、都道府県ごとに地方審議会が新しい額をまとめる。改定は毎年度ある。2020年度の全国平均時給は902円。日本は諸外国と比べて低水準との指摘がある。地域間格差の解消も課題になっている。

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