社長を目指す方程式

“ブレない”リーダーは危険? 周囲を納得させる最強の決断方法 (1/3ページ)

井上和幸
井上和幸

 《今回の社長を目指す法則・方程式:橋下徹「手続的正義による決断力」》

 先を見通しにくい時代、コロナで一変した世界。足元では、日本でもようやくワクチン接種が進み始め、感染が落ち着くのかと思いきや、8月に入って過去最大の爆発的感染拡大が続いています。なんとも読みにくい環境、正解が分からない中で意志決定する必要がある瞬間が、上司の皆さんにも非常に多くなっていますね。このような状況下で、どのように決断すればよいのか、自分の意思決定が部下に説得力を持つのか気になる方も多いことと思います。

 橋下徹さんの新刊『決断力』は、「先が見えない中でも最前手を打つ」「誰もが納得する結論の導き方」と銘打たれています。今回はこちらの書籍から学んでみましょう。

 「実体的正義」と「手続的正義」

「2020年から感染が拡大した新型コロナウイルスの混乱の中では、先の見えない状況に恐れをなして意思決定を先延ばしにし、後手後手の対応を迫られるトップの事例が数多く見られました。その理由は、皆『絶対的な正解』を探そうとしているから。『これが正解』という100%の確信が持てるまで情報を集めてから、決めようとする。しかし、この手法が通用するのは、『ある程度、正解のわかる』問題だけです。多くのリーダーが決断しなければならないのは、『正解がまったくわからない」問題です』(『決断力』より)

 まったくその通りですね。この1年半、国や行政のコロナに関連する対応を見ていて、「なんで決められないのだろう」「どういう根拠で決めているのだろう」と思うことが続き、ジリジリとした感情を抱えている人は少なくないと思われます。

 弁護士でもある橋下さんは、司法の世界で正義の考え方に「実体的正義」と「手続的正義」の二つがあることを紹介し、いまのような時期・状況においては、絶対的な正しさを問う「実体的正義」ではなく、結果に至る過程・プロセスの正当性があるならばそれを正しい結果とみなす「手続的正義」を選択すべきと言います。

 おっしゃる通り、国政や都政・市政もそうですし、企業における意思決定も、常に絶対的な正義・正解がある訳ではありません。その際に、どちらが正しいのかばかりを論駁(ろんばく)していても埒があきませんよね。私たち企業人でも、納得できる意思決定・決断とは、「どのように決めたのか」について納得性のあるものです。

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